金木犀と誕生日。
扉を開けて外に出ると、冷たい空気とあったかい日差しと、金木犀の香りがする。
秋だ。
金木犀の香りがする世界は好きだ。
実家の近くに、金木犀があっていつもこの香りがしてた。
給料、労働時間、職場の位置と
一人暮らしという条件を満たした今の仕事。
仕事も人付き合いも、お客さんも、店のことも、従業員も大切にしようとは思うが、
現実は甘くない。
考え方が合わない人はいるし、
1人の人を師事すれば、片方の人を傷つける。
でももう決めたんだ。
私はやりたいようにするんだ。
「たどり着く先はみんな一緒で、普通にいけば真っ直ぐ進む道があるのに、わざわざイバラの道を通る必要ある?
あやかちゃんは、いま俺と同じ道を行こうとしゆよ。」
と、彼に言われ、その道を歩むなと言われたが、私も聞く耳を持たないので。
イバラの道のまま、あなたが歩いた道を歩こうと思う。
「じゃあ、私は、あなたが辞めた後、あの店の店長になるんですね。」
と冗談をかましたけど、
それが目標となってしまった。
死ぬ気で今から2年ほどかけて這い上がっていきます。
闇がこわくないのは君のおかげなんだよ、君も歩いた道だから。
私が高校三年の時にであったヒーロー。
深瀬 慧くん。
お誕生日おめでとう。